ブログトップ

スズキヨシカズ幻燈画室

suzuky.exblog.jp

満月ノ晩ノ蒼色幻燈会 ... 始マリ始マリ

理科室のシリーズが生まれた日(1)

『月光房』を包み込む自然の中のモノタチが色づけてくれた画用紙に『理科室のシリーズ』は生まれた。

『月光房』の裏の雑木林に吊り下げられた色とりどりの画用紙たち。 『自然』という風景の中にはとけ込めないヒトが作った色彩だ。
絵の下地を作っていると思う事がある。
どんなにたくさんの色を混ぜ合わせ、風化したように古めかしい色を作っても(イメージに限りなく近い色が作れたとしても)そこには計算された今の時間しか存在しない。 偶然が風味を加えてくれる事もあるが、それはほんとうに微々たるものだったりする。
自然の中に(僕の言う自然とは自然の中に在るすべての要因のコトです)起こり得る偶然にかなうわけはないのだ。 「ならば、、、」 と思った。 「ならば僕には起こせない残り70%の奇跡を自然の中のモノタチにお願いしてみよう」 、、と思ったんだ。

天候は毎日変わるし季節は巡り太陽の通り道もかわる。 月は満ち欠けを繰り返し月光は気まぐで、星明かりは樹々の葉を照らすだけで精一杯だ。 強い風に吹き飛ばされた画用紙を探して雑木林を彷徨う。(「彷徨う」は大袈裟だな) 千切れた画用紙を拾い集め、雪に埋もれた画用紙を掘り起こす。 あきらかに小動物の爪痕の残るものも在った。(熊もでたし、、)

そうして自然は、僕よりはるかに有効に『時間』を使い、画用紙に何かを吹き込んでくれた。

鮮やかな色が落ち着き、まるで『夜(ヨル)』と言う名の魔人を具現化したようなとりどりの『蒼(あお)い紙』を使って描いたのが『ブブ』と言う名前の犬がモデルの『俄雨(にわかあめ)』という作品だった。
「描いた」と言う言葉を使ったが(確かに「描いた」のだが)実は、僕は紙の中に現れていたシミをなぞって象っただけなのだ。 『蒼(あお)い紙』に浮かび上がっていたシミが『ブブの顔』に見えただけだったのだ。

(ではもう一度、素敵犬ブブの『俄雨(にわかあめ)』をどうぞ、、、。)

(綺麗な『蒼』だよね。)

a0199297_14481378.jpg


                      理科室のシリーズが生まれた日(2)に続く、、、
by yoshikazusuzuky | 2011-01-29 18:11 | スズキヨシカズ的アート | Comments(0)