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スズキヨシカズ幻燈画室

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満月ノ晩ノ蒼色幻燈会 ... 始マリ始マリ

理科室のシリーズが生まれた日(2)

、、、理科室のシリーズが生まれた日(1)からの続き


「暖色系に染めた画用紙たちの色変はもっと劇的だった。」

何と言えば良いのだろう、、。
その色は僕に風化した人工物の在る風景を連想させた。

『廃墟』、、とは別なのだ。
『廃墟』ではない。 それは、『ヒトが作ったモノ』に込められた、魂が風化した風景なんだ。

だから僕は、それらの紙には何も描かないつもりだった。(「描けない」と思った。)

でもね、そこで自然は僕に小さな悪戯を仕掛けていた。
紙を部屋に持ち帰り、床に並べている時にソレを見つけた。
一枚の紙に目を凝らす。 紙にね、雨蛙が一匹とまっていた。 雨蛙が一匹とまって、紙の色に極限まで同化していたんだよ。a0199297_15183344.jpg

蛙は生きているんだ。

ただじっと目を閉じて、紙になりきろうとしていた。

その時、僕の中の風景が一変した。

今まで『風化した人工物の在る風景』に見えていたモノの中に『知識』と言う言葉が加わったんだ。
紙の中に、ヒトの知識の、、、『化石化した知識の断片たち』が浮かび上がっていた。

僕は愛用する図鑑の中の文字を切り抜き繋ぎ合わせて文章を作った。
紙の中に存在するであろうと思われる図版も抜き出した。
それからそれらの文字や図版のインクを溶かし、紙に擦り付けて転写をした。(だから『理科室のシリーズ』の文字は鏡の中の様に左右が逆なのです)

そして最後に、いつからそこにいたのか想像もつかないが、、、たぶん彼(あるいは彼女)にしたら想像もつかぬほどの蛙時間を紙の上で過ごしたであろう、、、「雨蛙」に敬意を表して様々な蛙を描き『理科室のシリーズ』を完成させた。

『理科室のシリーズ』始まりのお話しでした。

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    (スズキヨシカズ絵画作品 『理科室のシリーズ最終章』 〜 百舌鳥(もず)が来る 〜 )
by yoshikazusuzuky | 2011-01-29 18:11 | スズキヨシカズ的アート | Comments(0)