文章
『いしたちのないしょばなし』
~石が話してくれたコト~
ボクがはじめて「石(いし)」にであったのは、、とは、おかしな言い方ですね。だって石はそこいらじゅうにあるモノなのですから、かしこまって話しはじめるようなコトではありませんものね。正しく言うと、ボクがはじめて気になる石にであったのは小学校1年生のときだったと思います。家のちかくのこうじげんばに「ザザザザザ」と山のようにおかれていたジャリ石の中に、「キラキラと光りかがやく石」を見つけたのです。それは小さな小さな「水晶(すいしょう)」があつまってできた石でした。ボクのしんぞうは、バクハツしそうなくらいに「ドキ!ドキ!ドキ!」となりました。せかいでいちばんの「たからもの」をはっけんした、たんけんかのきもちでした。ボクはその石をいえにもってかえり、つくえの上にかざりました。おふろにいっしょにはいりました。ねむるときもいっしょでした。出かけるときにはポケットにいれました。
そのときから石はボクのいちばんのともだちになったのでした。
子どものころからなんども家を引っこししたので、いつのまにかその石はなくなってしまいましたが、大人になっても石たちはボクのともだちのままでいてくれました。この、ボクからのてがみをよんでくれているキミにも、ボクのともだちをしょうかいしますね。みんなそれぞれ個性的(こせいてき:おなじように見えてもそれぞれがせかいで一つだけの色や形やせいかくをもっているコト)な石たちです。キミとなかよくなれる石もいるでしょう。なかよくなれない石もいるかもしれないし、目にもはいらず気にもならない石もいるでしょう。でもね、石たちはキミになにかをつたえたくて、話しつづけていますよ。
なにを話したがっているかって?
それは石たちだけがしっている
「宇宙(うちゅう)」と「地球(ちきゅう)」の
ひみつのないしょの話です。
2017年3月 「りょうぜんこどもの村」
『遊びと学びのミュージアム』にて
スズキヨシカズ
(石たちから聞いた話をみんなにつたえる人)