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スズキヨシカズ幻燈画室

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満月ノ晩ノ蒼色幻燈会 ... 始マリ始マリ

カテゴリ:スズキヨシカズ的アート( 263 )

僕はスリアで夏を過ごした。

1989年から1994年まで、、、6回の夏を経験した。
心優しき人々が暮らす素敵に小さな小さな町だった。

僕は元来の不真面目さもありスペイン語を全く勉強しないままにスペインに渡ってしまった。
「渡ってしまった、、、」と言っても反省などは(いまだに)一つもしていない。(笑)
餞別にもらったギターと米軍払い下げのオリーブ色の大きなバックだけを荷物に、見送ってくれる友人たちに(なんと!)右拳などを頭上に掲げて見せたりなどしつつ、、スペインはバルセロナを目指して日本を飛び立ってしまったのだ。

1986年のことだ。

飛行機はどんどん高度を上げ頭上の安全灯が緑色に変わり、もろもろの説明とともに機内食を食べ、ぎこちなく短い睡眠から目覚め全くの一人という状況を受け止めると、さすがに少しの心細さを感じた。 「さてどうしたものか?」 と思った。 「どうしたものか、、、」と言うのは、バルセロナに着いてからどうしたものかと言う意味ですね。 今回は(前回の話はまた何時か、、)旅行ではなくバルセロナに住むつもりなので、先ずはアパートを探さなければならない。 スペイン語が理解出来なくては(ちなみに英語も全く話せませんでしたが、、、てへ!)これは問題だ、、けれど話せないものは仕方ないので手荷物鞄からスペイン語の辞書と鉛筆とメモ用紙を引っぱり出して、、
『私はバルセロナに住みたいです』
『私は絵が描きたいです』
『私はスペイン語が話せません』
取りあえずこの三つのフレーズを(単語だけを文法も何も関係なく並べて)完成させた。

、、、って! あれっ!?
こんな話から書いていったらスリアの話までいかないな。
スリアで描いた人物スケッチの紹介文を書くつもりだったのに、、、。(笑)

でもね、けっきょく僕は着いたその日にアパートを決め、画材店を探して絵の道具を揃え、アパートの近所のメルカード(市場)で買った生ハムをはさんだサンドウィッチを作って食べながら、夜には絵を描き始めていたの。 『未成年』の項目で載せた『19歳の自画像』、、、あの絵を描き始めたんだ。

ね!?

言葉なんかわからなくても何とかなるものなのです!(ダメダメ!ウソウソ!ちゃんと勉強してから行きましょう)(笑)
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                スズキヨシカズ絵画作品  スリアスケッチ(1)
by yoshikazusuzuky | 2011-01-22 16:19 | スズキヨシカズ的アート | Comments(0)
「カチ、、カチ、、チチチ、、」

小さく、歯車の噛み合う音をさせて『水晶計』が回転を始める。

午前7時、『水晶計』を透過した光は分解され組み立てられて、西向きの白い壁にうっすらとした虹の軌跡を描き出す。
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        (スズキヨシカズ立体作品 『午前7時の光を測る機械』の為の習作)
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by yoshikazusuzuky | 2011-01-19 17:15 | スズキヨシカズ的アート | Comments(2)
「クプクプクプ、、、」

ゆらゆら石小僧(いしこぞう)は水の底。
蒼い蒼い水の底。

「クプクプクプクプ、、、」

ゆらゆら石小僧(いしこぞう)が笑っているよ。
水晶の角を揺らめかせ、、
縞瑪瑙の目玉をぐるりとさせて。

「クプクプクプクプ、、クプククク」

石小僧(いしこぞう)、、
笑っているね?
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(スズキヨシカズ立体作品 『石小僧(いしこぞう)』)
by yoshikazusuzuky | 2011-01-18 23:17 | スズキヨシカズ的アート | Comments(0)
森の中に迷うと気配を感じる。
視線、、とまでは言えないような、微かな微かな気配を感じるんだ。

「森の人だよ、、」

誰かが僕の耳もとに呟く。

夕陽鳥は僕の肩に、、、。
「カタカタカタ、、」 そのクチバシを僕の耳もとで愉快気にふるわせて笑う。

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(スズキヨシカズ立体作品 『森の人』)

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(スズキヨシカズ立体作品 『夕陽鳥』)
by yoshikazusuzuky | 2011-01-18 23:03 | スズキヨシカズ的アート | Comments(0)
何百年、、?
何千年、、、?
永い永い時間(とき)を、地中深くに埋もれて過ごした(埋められて過ごした)、
ヒトの痕跡、
文明の残骸たち。
そのモノタチが静かに息を吹き返すとき、、、
そこにはまた新たな始まりの物語が生まれる。
静寂に縁どられた、言葉を持たぬ物語が、、、。

「カチ、、、カチ

、、、ポロン、、、カチチ、、、」

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                  (スズキヨシカズ立体作品 『未来から来たロボット』)
by yoshikazusuzuky | 2011-01-18 21:00 | スズキヨシカズ的アート | Comments(0)
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    (スズキヨシカズ絵画作品 『道標(みちしるべ)』〜「夜」あるいは「ヨル」〜 )


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     (スズキヨシカズ絵画作品 『二人(ふたり)』 〜君にしかわからない歌〜 )


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    (スズキヨシカズ絵画作品 『体温』〜「水底(みなそこ)」あるいは「夜明け頃」〜 )
by yoshikazusuzuky | 2011-01-18 01:07 | スズキヨシカズ的アート | Comments(2)
スペインに渡ってバルセロナのホテルでいちばん初めに描いた絵は自我像だった。

始まりの僕は、19歳だった。

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            (スズキヨシカズ絵画作品 『19歳の自我像』 )
by yoshikazusuzuky | 2011-01-17 17:25 | スズキヨシカズ的アート | Comments(1)
蝉のカタチは不思議だ。

幼稚園生の頃、夏の明け方、近くの高等学校の校庭のすみで初めて蝉の羽化を見た。
カタチを持たない透明な命が実体化して行く過程は、まるでSF映画のようだった。
それ以来、蝉を見ると何故だか宇宙空間を航行する船(宇宙船)のイメージが浮かんで来るんだ。

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(スズキヨシカズ絵画作品 『錆びついた空間(そら)』〜星の船〜 )
by yoshikazusuzuky | 2011-01-17 16:40 | スズキヨシカズ的アート | Comments(1)
山の中のアトリエで2年間、作品づくりをしていた。

その建物の為に切り開かれたその場所は、とても特別な場所に思えて、、、「ここで絵を描かない?」と言われた時、後先考えずに承諾してしまった。それくらいに魅力的な場所だった。
朝に夕に、様々な動物たちや正体のわからないモノタチの声がしていた。
夜には月や星や、天空のモノタチがその建物の真上を巡って行った。
僕はその建物に『月光房』と名前をつけた。
不思議なことで、「何故?」と訊かれても説明することは出来ないのだけれど、僕が名前をつけた瞬間からその建物との親密さが増した。

僕が先ずしたことは、建物の裏の雑木林の、樹々の間にロープを張り巡らせて色とりどりに染めた100枚の画用紙を洗濯バサミでとめることだった。その画用紙たちは、そのままその場所で風や雨や雪や太陽の光や月明かりにさらされ続けた。

そして1年の後、、、
僕は、人ではないモノタチが作ってくれた画用紙をつかって作品を作った。
風や雨や雪や太陽の光や月明かりたちは画用紙の中に留められていた。
風や雨や雪や太陽の光や月明かりたちの記憶もまた、その中に在るように思えた。

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                 (スズキヨシカズ絵画作品『俄雨(にわかあめ)』〜ブブ〜)
by yoshikazusuzuky | 2011-01-17 11:47 | スズキヨシカズ的アート | Comments(0)
幼稚園で子供たちに絵本を読んであげたのが始まりだった。
(なんだったっけ?絵本の題名。『月』を目指して旅をする男の子の話、、、。)
それがきっかけで、あちこちの小学校や幼稚園を巡るようになった。
絵画作品や立体作品、鉱物の標本や化石標本、僕の画室に転がっている様々に不思議なモノタチ、、、それらを組み合わせて体育館や教室、遊び場を全く別な空間に変えてしまう。
『不思議の博物館』と言う題名の展覧会たち。
お話しも(自作の物語も)語るようになった。

命のカタチ、、、。
この子たちは『未来から来たロボット』。

遥か遥かな時間の彼方、この惑星(ほし)の住人となるロボットたちだ。
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                    (スズキヨシカズ立体作品『未来から来たロボット』)
by yoshikazusuzuky | 2011-01-17 10:48 | スズキヨシカズ的アート | Comments(0)