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スズキヨシカズ幻燈画室

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満月ノ晩ノ蒼色幻燈会 ... 始マリ始マリ

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さあ、、


2011年が


過ぎてゆきますよ、、、。
by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 23:59 | 繋がる想い | Comments(0)
雨ニモマケズ


雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ

南無無辺行菩薩
南無上行菩薩
南無多宝如来
南無妙法蓮華経
南無釈迦牟尼仏
南無浄行菩薩
南無安立行菩薩
by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 23:47 | 記憶の欠片 | Comments(0)



   
掌がほてって寝つけないときは

手拭をまるめて握ったり

黒い硅板岩礫を持ったりして

みんな昔からねむったのだ

 







 
by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 23:43 | 記憶の欠片 | Comments(0)

今日は一日あかるくにぎやかな雪降りです


   
今日は一日あかるくにぎやかな雪降りです

ひるすぎてから

わたくしのうちのまはりを

巨きな重いあしおとが

幾度ともなく行きすぎました

わたくしはそのたびごとに

もう一年も返事を書かないあなたがたづねて来たのだと

じぶんでじぶんに教へたのです

そしてまったく

それはあなたの またわれわれの足音でした

なぜならそれは

いっぱい積んだ梢の雪が

地面の雪に落ちるのでしたから

   

雪ふれば昨日のひるのわるひのき

菩薩すがたにすくと立つかな

 






  

 
by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 23:39 | 記憶の欠片 | Comments(0)

発電所

                 

鈍った雪をあちこち載せる

鉄やギャブロの峯の脚

二十日の月の錫のあかりを

わづかに赤い落水管と

ガラスづくりの発電室と

……また余水吐の青じろい滝……

くろい蝸牛水車(スネールタービン)で

早くも春の雷気を鳴らし

鞘翅発電機(ダイナモコレオプテラ)をもって

愴たる夜中のねむけをふるはせ

むら気な十の電圧計や

もっと多情な電流計で

鉛直フズリナ配電盤に

交通地図の模型をつくり

大トランスの六つから

三万ボルトのけいれんを

塔の初号に連結すれば

幾列の清冽な電燈は

青じろい風や川をわたり

まっ黒な工場の夜の屋根から

赤い傘、火花の雲を噴きあげる

 

 
by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 23:33 | 記憶の欠片 | Comments(0)

ローマンス(断片)

                 
ぼくはもいちど見て来ますから

あなたはここで

月のあかりの汞から

咽喉だの胸を犯されないやう

よく気を付けて待っててください

   

あの綿火薬のけむりのことなぞ

もうお考へくださいますな

   

最后にひとつの積乱雲が

ひどくちぢれて砕けてしまふ

 

 
by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 23:28 | 記憶の欠片 | Comments(0)



 

わたくしといふ現象は

仮定された有機交流電燈の

ひとつの青い照明です

(あらゆる透明な幽霊の複合体)

風景やみんなといつしよに

せはしくせはしく明滅しながら

いかにもたしかにともりつづける

因果交流電燈の

ひとつの青い照明です

(ひかりはたもち、その電燈は失はれ)

   

これらは二十二箇月の

過去とかんずる方角から

紙と鉱質インクをつらね

(すべてわたくしと明滅し みんなが同時に感ずるもの)

ここまでたもちつゞけられた

かげとひかりのひとくさりづつ

そのとほりの心象スケツチです

   

これらについて人や銀河や修羅や海胆は

宇宙塵をたべ、または空気や塩水を呼吸しながら

それぞれ新鮮な本体論もかんがへませうが

それらも畢竟こゝろのひとつの風物です

たゞたしかに記録されたこれらのけしきは

記録されたそのとほりのこのけしきで

それが虚無ならば虚無自身がこのとほりで

ある程度まではみんなに共通いたします

(すべてがわたくしの中のみんなであるやうに みんなのおのおののなかのすべてですから)

   

けれどもこれら新生代沖積世の

巨大に明るい時間の集積のなかで

正しくうつされた筈のこれらのことばが

わづかその一点にも均しい明暗のうちに

(あるひは修羅の十億年)

すでにはやくもその組立や質を変じ

しかもわたくしも印刷者も

それを変らないとして感ずることは

傾向としてはあり得ます

けだしわれわれがわれわれの感官や

風景や人物をかんずるやうに

そしてたゞ共通に感ずるだけであるやうに

記録や歴史、あるひは地史といふものも

それのいろいろの論料(データ)といつしよに

(因果の時空的制約のもとに)

われわれがかんじてゐるのに過ぎません

おそらくこれから二千年もたつたころは

それ相当のちがつた地質学が流用され

相当した証拠もまた次次過去から現出し

みんなは二千年ぐらゐ前には

青ぞらいつぱいの無色な孔雀が居たとおもひ

新進の大学士たちは気圏のいちばんの上層

きらびやかな氷窒素のあたりから

すてきな化石を発堀したり

あるひは白堊紀砂岩の層面に

透明な人類の巨大な足跡を

発見するかもしれません

   

すべてこれらの命題は

心象や時間それ自身の性質として

第四次延長のなかで主張されます

 

大正十三年一月廿日      宮 澤 賢 治








 
by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 23:23 | Comments(0)

宮沢賢治/星めぐりの歌






by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 23:11 | 記憶の欠片 | Comments(0)
小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈です。

一、五月

二疋の蟹の子供らが青じろい水の底で話していました。
『クラムボンはわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『クラムボンは跳ねてわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
上の方や横の方は、青くくらく鋼のように見えます。
そのなめらかな天井を、つぶつぶ暗い泡が流れて行きます。
『クラムボンはわらっていたよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『それならなぜクラムボンはわらったの。』
『知らない。』
つぶつぶ泡が流れて行きます。蟹の子供らもぽっぽっぽっとつづけて五六粒泡を吐きました。
それはゆれながら水銀のように光って斜めに上の方へのぼって行きました。

つうと銀のいろの腹をひるがえして、一疋の魚が頭の上を過ぎて行きました。
『クラムボンは死んだよ。』
『クラムボンは殺されたよ。』
『クラムボンは死んでしまったよ………。』
『殺されたよ。』
『それならなぜ殺された。』兄さんの蟹は、その右側の四本の脚の中の二本を、弟の平べったい頭にのせながら云いました。
『わからない。』
 魚がまたツウと戻って下流のほうへ行きました。
『クラムボンはわらったよ。』
『わらった。』
にわかにパッと明るくなり、日光の黄金は夢のように水の中に降って来ました。
波から来る光の網が、底の白い磐の上で美しくゆらゆらのびたりちぢんだりしました。
泡や小さなごみからはまっすぐな影の棒が、斜めに水の中に並んで立ちました。
魚がこんどはそこら中の黄金の光をまるっきりくちゃくちゃにしておまけに自分は鉄いろに変に底びかりして、又上流の方へのぼりました。
『お魚はなぜああ行ったり来たりするの。』
弟の蟹がまぶしそうに眼を動かしながらたずねました。
『何か悪いことをしてるんだよとってるんだよ。』
『とってるの。』
『うん。』
そのお魚がまた上流から戻って来ました。
今度はゆっくり落ちついて、ひれも尾も動かさずただ水にだけ流されながらお口を環のように円くしてやって来ました。
その影は黒くしずかに底の光の網の上をすべりました。

『お魚は……。』

その時です。
俄に天井に白い泡がたって、青びかりのまるでぎらぎらする鉄砲弾のようなものが、いきなり飛込んで来ました。
兄さんの蟹ははっきりとその青いもののさきがコンパスのように黒く尖っているのも見ました。
と思ううちに、魚の白い腹がぎらっと光って一ぺんひるがえり、上の方へのぼったようでしたが、それっきりもう青いものも魚のかたちも見えず光の黄金の網はゆらゆらゆれ、泡はつぶつぶ流れました。

二疋はまるで声も出ず居すくまってしまいました。
お父さんの蟹が出て来ました。
『どうしたい。ぶるぶるふるえているじゃないか。』
『お父さん、いまおかしなものが来たよ。』
『どんなもんだ。』
『青くてね、光るんだよ。はじがこんなに黒く尖ってるの。それが来たらお魚が上へのぼって行ったよ。』
『そいつの眼が赤かったかい。』
『わからない。』
『ふうん。しかし、そいつは鳥だよ。かわせみと云うんだ。大丈夫
だいじょうぶ
だ、安心しろ。おれたちはかまわないんだから。』
『お父さん、お魚はどこへ行ったの。』
『魚かい。魚はこわい所へ行った』
『こわいよ、お父さん。』
『いいいい、大丈夫だ。心配するな。そら、樺の花が流れて来た。ごらん、きれいだろう。』
泡と一緒に、白い樺の花びらが天井をたくさんすべって来ました。
『こわいよ、お父さん。』
弟の蟹も云いました。
光の網はゆらゆら、のびたりちぢんだり、花びらの影はしずかに砂をすべりました。


二、十二月

蟹の子供らはもうよほど大きくなり、底の景色も夏から秋の間にすっかり変りました。

白い柔かな円石もころがって来、小さな錐の形の水晶の粒や、金雲母のかけらもながれて来てとまりました。
そのつめたい水の底まで、ラムネの瓶の月光がいっぱいに透とおり天井では波が青じろい火を、燃したり消したりしているよう、あたりはしんとして、ただいかにも遠くからというように、その波の音がひびいて来るだけです。

蟹の子供らは、あんまり月が明るく水がきれいなので睡らないで外に出て、しばらくだまって泡をはいて天上の方を見ていました。
『やっぱり僕の泡は大きいね。』
『兄さん、わざと大きく吐いてるんだい。僕だってわざとならもっと大きく吐けるよ。』
『吐いてごらん。おや、たったそれきりだろう。いいかい、兄さんが吐くから見ておいで。そら、ね、大きいだろう。』
『大きかないや、おんなじだい。』
『近くだから自分のが大きく見えるんだよ。そんなら一緒に吐いてみよう。いいかい、そら。』
『やっぱり僕の方大きいよ。』
『本当かい。じゃ、も一つはくよ。』
『だめだい、そんなにのびあがっては。』
またお父さんの蟹が出て来ました。
『もうねろねろ。遅いぞ、あしたイサドへ連れて行かんぞ。』
『お父さん、僕たちの泡どっち大きいの』
『それは兄さんの方だろう』
『そうじゃないよ、僕の方大きいんだよ』弟の蟹は泣きそうになりました。
そのとき、トブン。
黒い円い大きなものが、天井から落ちてずうっとしずんで又上へのぼって行きました。
キラキラッと黄金のぶちがひかりました。

『かわせみだ』

子供らの蟹は頸をすくめて云いました。
お父さんの蟹は、遠めがねのような両方の眼をあらん限り延ばして、よくよく見てから云いました。

『そうじゃない、あれはやまなしだ、流れて行くぞ、ついて行って見よう、ああいい匂いだな』

なるほど、そこらの月あかりの水の中は、やまなしのいい匂いでいっぱいでした。
三疋はぼかぼか流れて行くやまなしのあとを追いました。
その横あるきと、底の黒い三つの影法師が、合せて六つ踊るようにして、やまなしの円い影を追いました。
間もなく水はサラサラ鳴り、天井の波はいよいよ青い焔をあげ、やまなしは横になって木の枝にひっかかってとまり、その上には月光の虹がもかもか集まりました。

『どうだ、やっぱりやまなしだよ、よく熟している、いい匂いだろう。』
『おいしそうだね、お父さん』
『待て待て、もう二日ばかり待つとね、こいつは下へ沈んで来る、それからひとりでにおいしいお酒ができるから、さあ、もう帰って寝よう、おいで』

親子の蟹は三疋自分等の穴に帰って行きます。

波はいよいよ青じろい焔をゆらゆらとあげました、それは又金剛石の粉をはいているようでした。




私の幻燈はこれでおしまいであります。
by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 23:01 | 記憶の欠片 | Comments(0)

小山卓治 いつか河を越えて(Passing)



by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 22:40 | | Comments(0)