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スズキヨシカズ幻燈画室

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満月ノ晩ノ蒼色幻燈会 ... 始マリ始マリ

エレベーター

展覧会は、複合文化施設の最上階で開かれているようでした。正面玄関の外まで、エレベーターに並ぶ行列が出来ていました。行列に並んでまで僕は、この展覧会が観たいのだろうか?難しい問題だなあ、と思いながら建物の脇にまわってみると『職員専用』と白いペンキで書かれた戸がありました。金属製の丸い取っ手も鍵穴も、錆び付いていて長く使用されていない感があります。なぜそうしてみたのか自分でもワカラナイのですが、僕は取っ手を回してみました。すると思いがけず「カチリ」と、小気味よい音を発して解錠され、戸が開いたのです。25W程度の裸電球の明りが照らす四畳半ほどのフロアの突き当たりの壁には、小さなエレベーターがありました。到着階を示す掲示板の数字が光っているので稼働しているようです。僕はボタンを押してみました。ため息のような振動音とともにモーターが回転を始め、エレベーターが階を下って来ました。エレベーターが1階に到着しましたが扉は開きません。ボタンを押す度に扉は左右に数ミリ開こうとして、中の光がほんの少し漏れるのですが、開かないのです。僕はボタンを押すと同時に両の扉に手のひらをピタリと着けて、左右に押し開けるコトを試みました。すると、数センチ開いた扉の間から、覗く「目玉」と、目が合ってしまったのです。「うわっ!」思わず叫んで扉から手を離して後ずさると、扉が再び閉まりました。どうやら中に人が居て、扉が開かないように押さえているようです。エレベーターを呼んでしまったのだから仕方ありません。僕はどうしても扉を開けたくなってしまいました。僕はもう一度ボタンを押しながら、先ほどよりも力を込めて、扉を左右に押し開きました。「ギリギリギリ」と鈍く擦れる音がして、扉が開きました。エレベーターの中には二人の男がいました。二人の後ろには、狭いエレベーター内にもかかわらず、びっくりする程たくさんの、段ボール箱が積み上げてありました。二人は日本人ではありませんでした。「ワタシタチハ、インド系ネパール人デス。コノ、エレベーターノ中デ、生活シテイマス。」面喰らって仕舞いましたが、二人がそう言うのだから、そうなのでしょう。「アナタハ空腹デハアリマセンカ?」突然そう聞かれて考えてみると、僕はまだ、今日いちども食事をしていないコトに気づき、空腹であるコトも思い出しました。「おなかへってます」僕の返事を確認すると、二人は目配せで打ち合わせ、幾つかの段ボール箱をエレベーター内から運び出し、手際良く食べ物屋台を組み上げました。羊頭のシチューやスパイシーなじゃがいも料理、羊肉の腸詰めにネパール餃子。美味しそうな料理が並びました。「ココ、イチバン美味シイヨ。」そう言って羊の頭の頬の辺りの肉を切り取って、すすめてくれました。「う、、旨い」インド系ネパール人の二人が顔を見合わせ、大きく微笑みました。「あ、二人は名前なんて言うの?」と名前をたづねようとした時、、

、、僕は目を覚ましたの
でした。

要点だけかいつまんでもこんな感じなのですから
細部までコト細かに語り始めたら
「本が一冊書けるかも知れないなあ」
と思うのでした


(まる)


(^〜^)





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5週間を経て
柿はココまでに
なりました

甘柿でした。


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みんなに描いてもらうために
美味しく食べてもらうコトもなく
朽ちてゆく甘柿です。


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敬意をもって
それを画面に表すように
描いていほしい。


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そんな思いは
伝わっただろうか?


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「柿さんありがとう」


そんな気持ちが
大切だと思います。




(微笑)





by yoshikazusuzuky | 2018-12-17 00:00 | かいがきょうしつ リベラ | Comments(0)

by yoshikazusuzuky