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スズキヨシカズ幻燈画室

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満月ノ晩ノ蒼色幻燈会 ... 始マリ始マリ


宮沢賢治/星めぐりの歌






# by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 23:11 | 記憶の欠片 | Comments(0)
小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈です。

一、五月

二疋の蟹の子供らが青じろい水の底で話していました。
『クラムボンはわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『クラムボンは跳ねてわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
上の方や横の方は、青くくらく鋼のように見えます。
そのなめらかな天井を、つぶつぶ暗い泡が流れて行きます。
『クラムボンはわらっていたよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『それならなぜクラムボンはわらったの。』
『知らない。』
つぶつぶ泡が流れて行きます。蟹の子供らもぽっぽっぽっとつづけて五六粒泡を吐きました。
それはゆれながら水銀のように光って斜めに上の方へのぼって行きました。

つうと銀のいろの腹をひるがえして、一疋の魚が頭の上を過ぎて行きました。
『クラムボンは死んだよ。』
『クラムボンは殺されたよ。』
『クラムボンは死んでしまったよ………。』
『殺されたよ。』
『それならなぜ殺された。』兄さんの蟹は、その右側の四本の脚の中の二本を、弟の平べったい頭にのせながら云いました。
『わからない。』
 魚がまたツウと戻って下流のほうへ行きました。
『クラムボンはわらったよ。』
『わらった。』
にわかにパッと明るくなり、日光の黄金は夢のように水の中に降って来ました。
波から来る光の網が、底の白い磐の上で美しくゆらゆらのびたりちぢんだりしました。
泡や小さなごみからはまっすぐな影の棒が、斜めに水の中に並んで立ちました。
魚がこんどはそこら中の黄金の光をまるっきりくちゃくちゃにしておまけに自分は鉄いろに変に底びかりして、又上流の方へのぼりました。
『お魚はなぜああ行ったり来たりするの。』
弟の蟹がまぶしそうに眼を動かしながらたずねました。
『何か悪いことをしてるんだよとってるんだよ。』
『とってるの。』
『うん。』
そのお魚がまた上流から戻って来ました。
今度はゆっくり落ちついて、ひれも尾も動かさずただ水にだけ流されながらお口を環のように円くしてやって来ました。
その影は黒くしずかに底の光の網の上をすべりました。

『お魚は……。』

その時です。
俄に天井に白い泡がたって、青びかりのまるでぎらぎらする鉄砲弾のようなものが、いきなり飛込んで来ました。
兄さんの蟹ははっきりとその青いもののさきがコンパスのように黒く尖っているのも見ました。
と思ううちに、魚の白い腹がぎらっと光って一ぺんひるがえり、上の方へのぼったようでしたが、それっきりもう青いものも魚のかたちも見えず光の黄金の網はゆらゆらゆれ、泡はつぶつぶ流れました。

二疋はまるで声も出ず居すくまってしまいました。
お父さんの蟹が出て来ました。
『どうしたい。ぶるぶるふるえているじゃないか。』
『お父さん、いまおかしなものが来たよ。』
『どんなもんだ。』
『青くてね、光るんだよ。はじがこんなに黒く尖ってるの。それが来たらお魚が上へのぼって行ったよ。』
『そいつの眼が赤かったかい。』
『わからない。』
『ふうん。しかし、そいつは鳥だよ。かわせみと云うんだ。大丈夫
だいじょうぶ
だ、安心しろ。おれたちはかまわないんだから。』
『お父さん、お魚はどこへ行ったの。』
『魚かい。魚はこわい所へ行った』
『こわいよ、お父さん。』
『いいいい、大丈夫だ。心配するな。そら、樺の花が流れて来た。ごらん、きれいだろう。』
泡と一緒に、白い樺の花びらが天井をたくさんすべって来ました。
『こわいよ、お父さん。』
弟の蟹も云いました。
光の網はゆらゆら、のびたりちぢんだり、花びらの影はしずかに砂をすべりました。


二、十二月

蟹の子供らはもうよほど大きくなり、底の景色も夏から秋の間にすっかり変りました。

白い柔かな円石もころがって来、小さな錐の形の水晶の粒や、金雲母のかけらもながれて来てとまりました。
そのつめたい水の底まで、ラムネの瓶の月光がいっぱいに透とおり天井では波が青じろい火を、燃したり消したりしているよう、あたりはしんとして、ただいかにも遠くからというように、その波の音がひびいて来るだけです。

蟹の子供らは、あんまり月が明るく水がきれいなので睡らないで外に出て、しばらくだまって泡をはいて天上の方を見ていました。
『やっぱり僕の泡は大きいね。』
『兄さん、わざと大きく吐いてるんだい。僕だってわざとならもっと大きく吐けるよ。』
『吐いてごらん。おや、たったそれきりだろう。いいかい、兄さんが吐くから見ておいで。そら、ね、大きいだろう。』
『大きかないや、おんなじだい。』
『近くだから自分のが大きく見えるんだよ。そんなら一緒に吐いてみよう。いいかい、そら。』
『やっぱり僕の方大きいよ。』
『本当かい。じゃ、も一つはくよ。』
『だめだい、そんなにのびあがっては。』
またお父さんの蟹が出て来ました。
『もうねろねろ。遅いぞ、あしたイサドへ連れて行かんぞ。』
『お父さん、僕たちの泡どっち大きいの』
『それは兄さんの方だろう』
『そうじゃないよ、僕の方大きいんだよ』弟の蟹は泣きそうになりました。
そのとき、トブン。
黒い円い大きなものが、天井から落ちてずうっとしずんで又上へのぼって行きました。
キラキラッと黄金のぶちがひかりました。

『かわせみだ』

子供らの蟹は頸をすくめて云いました。
お父さんの蟹は、遠めがねのような両方の眼をあらん限り延ばして、よくよく見てから云いました。

『そうじゃない、あれはやまなしだ、流れて行くぞ、ついて行って見よう、ああいい匂いだな』

なるほど、そこらの月あかりの水の中は、やまなしのいい匂いでいっぱいでした。
三疋はぼかぼか流れて行くやまなしのあとを追いました。
その横あるきと、底の黒い三つの影法師が、合せて六つ踊るようにして、やまなしの円い影を追いました。
間もなく水はサラサラ鳴り、天井の波はいよいよ青い焔をあげ、やまなしは横になって木の枝にひっかかってとまり、その上には月光の虹がもかもか集まりました。

『どうだ、やっぱりやまなしだよ、よく熟している、いい匂いだろう。』
『おいしそうだね、お父さん』
『待て待て、もう二日ばかり待つとね、こいつは下へ沈んで来る、それからひとりでにおいしいお酒ができるから、さあ、もう帰って寝よう、おいで』

親子の蟹は三疋自分等の穴に帰って行きます。

波はいよいよ青じろい焔をゆらゆらとあげました、それは又金剛石の粉をはいているようでした。




私の幻燈はこれでおしまいであります。
# by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 23:01 | 記憶の欠片 | Comments(0)

小山卓治 いつか河を越えて(Passing)



# by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 22:40 | | Comments(0)

小山卓治/談合坂パーキングエリア

Guest : 磯部舞子(Violin)



# by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 22:25 | | Comments(0)

小山卓治/Yellow Center Line



# by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 22:03 | | Comments(0)

矢野絢子 てろてろ



# by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 21:53 | | Comments(0)

矢野絢子+小山卓治/ニーナ

矢野絢子(Vocal/Piano)/小山卓治(語り/Guitar)/嶋崎史香(Violin)



# by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 21:43 | | Comments(0)
小山卓治/祈り

Guest:矢野絢子(Vocal/Piano)/嶋崎史香(Violin)


# by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 21:22 | | Comments(0)

小山卓治/1 WEST 72 STREET NY NY 10023



# by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 21:07 | | Comments(0)

小山卓治 Passing Bell~帰郷~


# by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 20:56 | | Comments(0)
そうです。

箭内さんの言う通りです。

何も終わっていないのです。

忘れないで下さい。





I love you & I need you 、、、
# by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 20:29 | 日常 | Comments(0)

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予定の変更です。

只今屋根の上、

強風に煽られめくれあがったブルーシートの補修中です。


予定変更予定変更。





まあ、、でもね

兎にも角にも
ことし最後の屋根の上です。

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             ことし最後の『ブルーシートの蒼い海』です。
# by yoshikazusuzuky | 2011-12-31 10:36 | 日常 | Comments(0)
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東北道の交通量は昨日の倍近く車列も連なっていましたが、
出会った事故は帰り道の1件だけでした。(1件でも事故に出くわせばそれはおおごとですが、、昨日の連続4件目撃が効いてますからね)
今日の混雑の中で(僕が高速を走っているトキに)事故に遭遇しなかった理由は『雪』、、ですかね?
往路も復路も、かなり激しく雪が吹き付けていたんですよ。
その視界を邪魔する雪のカーテンに、運転者もかなり神経質に安全速度を意識していたのでしょうかね。
、、とは言ってもやはり事故は起こるわけで
僕の行く先のもっと先の方では事故通行止めの表示が出ていました。
今夜が帰省のピークなのかな?それとも明日?


「うんてんしゃのみなさんとにかくおちついてあんぜんうんてんをこころがけましょう、、ね?」

って?
僕は毎日ドコに行っているのでしょうか?
「スズキさん忙しいようなコト言ってるけど忙しくなさそうですね?」と、鉱物採集収集家の知り合いに指摘を受けたのですが、、そんなコトはないのですよ。(うんうん) ただ、「行きたい!」ってなって往復の時間が取れる「行ける!」と思うと、もう車に乗って高速を走ってしまっているだけなのですよ。

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「で、、僕はドコに行っているか?」 福島市の『珈琲 楓舎』にテッちゃんのコーヒーを飲みに行っているのですが、、、「何か?」

今日はね、
朝方まで年賀ハガキ書きをして午前中は用足しをして午後2時頃に白河を出たかな。 混雑してても流れが止まりさえしなければちゃんと福島市に辿り着けます。 忙しくとも行きたいと思って行ける時間さえ取れて車にガソリンさえ入っていれば、、、
ちゃんと『珈琲 楓舎』に辿り着けるのですよ。 (ふふふん)← 何が「ふふふん」なのかな? (笑)

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実はね、いままでの僕はそんなに好んで自分からコーヒーを飲む人ではなかったのです。 ところが不思議ですね、、、テッちゃんのコーヒーは特別なのですよ。 テッちゃんのコーヒーを飲むと、、、精神状態が「どうなるこうなる」ではなくて、心の奥底がとてもとても気持ち良くなれるのです。 気持ち良くなれるのは大切なコトですよね。

気持ち良くないコトは気持ち良くないですからイヤです。

そんなわけで、、、
テッちゃんのコーヒーで気持ち良くなって帰って来たのに、、、なかなかその気持ちを持続させてもらえないのも現実かな?
でも大丈夫、今日はテッちゃんのコーヒーを買って来たからね。
今夜は一人になったら「ゆっくりゆっくり」と、テッちゃんのコーヒーにお湯を透すのです。

(微笑)

『珈琲 楓舎』は今日30日が年内最後の営業日でした。(テッちゃんおつかれさま!)
新年1月の営業日は『珈琲 楓舎』テッちゃんのブログ『SEKIYA』でご確認下さいね。

僕はね、こどもたちからもらったリベラ教室のお休みも、あと数日となってしまいました。 出来るコトは出来たけど、出来なかったコトは何にも出来ませんでした。 来年になったら、、、何か変われるだろうか? 変えてゆけるだろうか? 僕の『かいがきょうしつ リベラ』は、2012年1月4日(水曜日)から再開です。

明日はね、、大掃除はする気もないので(あの教室が片付くとは到底思えないので)教室再開出来る程度に片づけをして、1月の制作に必要な材料の調達に行ってきます。 1月のリベラは『絶対に開かない宝箱』の第二弾をやります。 その昔、第一弾をやったのです。 大切なモノを箱に詰めて、その箱を本当に「開かなく」してしまったのです。 何年前に作ったのだったか忘れてしまったけど、箱を作って現在もリベラに在籍している子たちの多くは、未だにその箱を開けずに(開けられずに)所有しているのですよ。 そんなわけで『絶対に開かない宝箱』第二弾、その箱の中に入れる『夢の素』を探しに行ってくるのです。


では、
そんなわけで、、
真夜中になったらお湯を沸かしてテッちゃんの真似してコーヒーをいれよう。
そして、
ゆっくりゆっくり気持ち良くなろう。



(微笑)



『日本レコード大賞』がつけ放したテレビ画面に映ってる。
鈴木雅之が『ラヴ イズ オーヴァー』を歌ってる。

良い曲です。



# by yoshikazusuzuky | 2011-12-30 21:31 | 街の風景 | Comments(2)
行きの高速道路(東北道下り)で2つの事故に遭遇。
帰りの高速道路(東北道上り)でも2つの事故に遭遇。

「おちつこうおちつこう」

スペインへのクリスマスカード(スペインは1月6日がクリスマス)の発送が終わったので年賀ハガキ書きが始まりましたが、、、「おちつこうおちつこう」。

そんなわけで、今夜は年賀ハガキ書きの一夜になります。
# by yoshikazusuzuky | 2011-12-29 23:33 | 街の風景 | Comments(0)
「かいがきょうしつ リベラ」の子どもたちも大変お世話になった、『元気ッズ!ふくしま』を企画発行する、山川印刷所「ふくしま企画工房」主催『みらいのまち絵画コンクール』の審査結果が、『元気ッズ!ふくしま』紙面とホームページ上で発表になりましたのでご報告とご紹介をさせていただきますね。
審査員は、僕『スズキヨシカズ』と『齋藤ナオ』が務めました。

たくさんたくさんの素晴らしい作品たちが集まった、ほんとうに素敵なコンクールでした。
難航を極めた審査とその結果、そして僕が書かせていただいたコメントなどは、添付した『元気ッズ!ふくしま』特設サイトにてご覧になって下さい。


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http://www.f-kikakukoubou.jp/
:『元気ッズ!ふくしま』ホームページ

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http://www.f-kikakukoubou.jp/features/2706
:『みらいのまち絵画コンクール』の審査結果

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http://www.f-kikakukoubou.jp/futurecity/contest_garally_prize0.html
:『みらいのまち絵画コンクール』応募全作品


この素晴らしいコンクールに参加させていただけたことを、
僕はとても光栄に思います。

「感謝します」

この企画をカタチにしてくれた関係者の方々に対してはもちろんですが、
なによりも、このコンクールに応募してくれた子どもたちに、、
こころから、、、
こころからの「ありがとう」の言葉を贈らせて下さい。


ありがとうございました。



(微笑)
# by yoshikazusuzuky | 2011-12-28 21:15 | 繋がる想い | Comments(2)

by yoshikazusuzuky