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スズキヨシカズ幻燈画室

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満月ノ晩ノ蒼色幻燈会 ... 始マリ始マリ

『煙水晶 〜スモーキークウォーツ〜 (smoky quartz)』です。
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『煙水晶』とは、ケイ素と共に水晶に含まれているアルミニウムに天然の放射線が作用して白水晶を茶色く発色させたモノですね。 その発色の色合いによっては『茶水晶』とも呼ばれます。
外国産のモノで、人工的に放射線照射を行い、黒く変色させた『煙水晶(黒水晶?)』をよく見かけます。(人工的なモノの色はけっこうキツくて「発色」と言うよりも「変色」と言いたくなります)(あの人工的な黒色は僕に『存在する影』を連想させるんだよね、、、あまり良い感じがしないな)(もちろんあくまでも個人的な感想です)

きょう紹介したい『煙水晶』は、二品とも来歴不明です。

まず一つ目。
この小さな琥珀色の『煙水晶』ポイントは骨董屋さんで見付けました。
ごく普通の和菓子が入っているような紙の箱に(かなり時代を経た紙箱でした)脱脂綿が敷きつめてあって、そこに数種類の瑪瑙(メノウ)や黒曜石、かなり透明度の高い白水晶や鉄分を多く含んで発色しているような黄水晶、、、などと一緒に無造作に詰め込まれて売られていたもので、どなたかの個人的な採集品のようでした。(朱墨で番号がふられているモノもありました) 骨董屋の主人に訊ねてもそれ以上の情報は得られなかったのですが、どれも日本国内での採集品のように見えましたね。a0199297_2356479.jpg もちろん、はっきりと断言出来るほど鉱物に精通しているわけではありませんが、日本産出の鉱物と外国産出の鉱物とでは、素人目に見ても何処か決定的な違いがあります。もし手元に日本産と外国産の鉱物をお持ちの方がいらしたら2つ並べて見てみて下さい。 、、、ね!? 違う表情でしょ?
とにかく僕には、その箱に入っている鉱物たちは僕と同胞のモノの様に見えたのです。

とても深い琥珀色ですよね。
 
見つめていると『煙水晶』の中に吸い込まれて、琥珀の中に封じ込められた虫たちのように、全ての時間を静止させられてしまいそうな錯覚に囚われます。(ちょっと話が脇道に逸れるけど、、前にロシアはバルト地方の琥珀に閉じ込められたトカゲの標本を見たことがあります。琥珀の中に硝子細工のように透明なトカゲがいるの、、、。すごく不思議ですごく綺麗な標本だったなあ、、。)

2つ目の『煙水晶』は大きな雲母片を共生させている、かなり大振りな水晶ポイントです。(大きさは 10cm 強くらいあるかな、、)
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これは外国産。 たぶんブラジル産出の『煙水晶』ではないかと思います。
『煙水晶』とは言っても、発色はとても柔らかです。
光に翳すと大きな雲母片が「ぎらりぎらり」と、まるで水底の魚のような銀色に光ります。

『雲母』ってまるで『水底の魚』のようです。

いま「ふっ、、」と思ったのですが外国に『煙水晶』の色をした河が在りましたよね?

何処の国の何て名前の河だっけ?
思い出そう、、、。
え〜と?

アマゾンのネグロ河だったかな?(「ネグロ」とはスペイン語で「黒」を表す言葉ですね) ネグロ河って『ピラルクー』とかいるんだよね。 ピラルクー知ってますか? 3mにもなる巨大魚ピラルクー! 〜〜僕の住む街から1時間ほど、県境を越えて車を走らせると『ピラルクー』のいる水族館があります。2m級のピラルクーが三匹もいるの。トンネル型の水槽を潜る時、頭上を悠々と泳いでゆく(「泳ぐ」と言うよりは「移動する」って感じかな?)ピラルクーを見ることが出来ます。まるで鯉のぼりが泳いでいるようなんだ!〜〜 でもネグロ河じゃない気がする。 僕が見た映像の中の河は、二枚目の写真のような綺麗な綺麗な琥珀色の川の水だった気がするな。 森の植物から溶け出したタンニンで琥珀色に染まる河の水、、。

何処の国の何て名前の河だっけ?

この『雲母片を共生させた煙水晶』を見ていたら、その琥珀色の河のことを思い出しました。

どこだったっけなあ?

「 ねえ?  Mr.『K』? 何処の国の何て名前の河だったっけ? 」

  
# by yoshikazusuzuky | 2011-02-17 23:11 | 理科室の記憶 | Comments(1)
『パライバクウォーツ』です。
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『パライバクウォーツ』は、2004年8月にブラジルのパライバ州の鉱山で発見された、『ギラライト』という鉱物を内包した水晶です。 『ギラライト』は銅を含んだ珪酸塩鉱物で、、、と『ギラライト』の説明も加えたいのですが、残念ながら手元にあまり資料がありません。ネットで検索しても「石言葉」みたいな抽象的な説明ばかりで、発見年号も1980年だったり2003年だったりと曖昧なのです。

でも『ギラライト』、綺麗ですよね?

『ギラライト』の形状が「海月(クラゲ)」に似ていることから『a0199297_22391081.jpgパライバクウォーツ』のことを『MEDUSA QUARTZ(海月水晶)』と呼んだりもするそうです。

『海月水晶』かあ、、、。

「むくむくむく、、」 と僕の空想回路が目を覚ましてしまうのですが、、、何処に行きましょうか? 地底? 深海? 地上100km、地球と宇宙の境界線? それとも思い切って宇宙空間へ? 「そうだね!宇宙に行きましょう!!」  場所は、、、そう、『アステロイドベルト』にしましょう。 火星と木星の間を巡る小惑星帯です。 『アステロイドベルト』とは惑星の核となる為の資材置き場、、。 あまりにも強大な木星の重力により均衡を与えられ惑星となる為の核を形成出来ぬままに巡り続けている小惑星たちの棲処、、、と言う事で大筋の説明は合ってますか?  でも、、、。 そう、常に「でも」が存在しなければ物語世界の扉は開かれないのです。(はじまったよはじまったよまたはじまったよ) でも、もしも『アステロイドベルト』が新たなる惑星の素ではなくて、かつて存在した惑星の残骸だったとしたら?    46億年の昔に銀河の片隅で起こった超新星の大爆発。 原子太陽の誕生と時を同じくして形成されてゆく惑星たち。 1千万年の後、それらの惑星たちが落ち着きを取り戻し始めた時、やがて火星となる小さな火球と木星となる大きな火球の間には火星よりも大きく木星よりも小さな惑星の姿がありました。 それより幾億年の後、、、その星は『ベルデ(みどり星)』と呼ばれる惑星へと成長したのです。 『ベルデ』は木星と同じ軌道を木星のすぐ傍で寄り添うようにして太陽を公転していました。 木星は『ベルデ』にとっての第二の太陽の役割を果たし、やがてベルデには命が誕生します。 命たちは、未だ整わぬ不安定な宇宙環境の中で突然変異を繰り返し、急激な進化を続けました。 命は知性を生みました。 知性は命に更なる進化を促しました。 知性と命はその真意で交わることなく進化を続けました。 しかし、、『ベルデ』の終焉は突然にやってきました。 急激に繰り返された知性の世代交代は生命体としての意識の均衡を失い、惑星と言う母なる命との調和を手にすることなく、自らの終わりを招いてしまったのです。 その頃には『ベルデ』は『みどり星』ではなく『はいいろ星』になっていました。 知的な命たちは自分たちの愚かさを悔いる時間も与えられず、ただただ失意の中、自分たちと自分たちの惑星の記憶を、『卵』に託すことしか出来なかったのです。 『新たなるベルデとなる惑星の為の卵』でした。 『卵』には全ての記憶が結晶に変えて封じ込められました。 それは蒼く輝く星のような結晶でした。 何にもまして美しい美しい結晶でした。 命たちはその結晶を『ギラライト』と名づけました。 火星と『ベルデ』が重なり合った影が木星の光の中に吸収され尽くした或る日に、『卵』たちは宇宙(そら)へと放たれました。 その光景はまるで、、まるで「惑星の産卵」のようでした。(これはずっとずっと後のお話しですが新たなる『みどり星』の『海』と名付けられた世界では『珊瑚』と言う命が満月の夜にこの時の『ベルデの産卵』と同じ光景をみせてくれたといいます) すべての『卵』たちが放たれ尽くした直後に、『ベルデ』は粉々に砕け散りました。

放たれた『卵』たちは遠く遠く旅をしました。

そして、、、



あら? 『海月水晶』とは何の関係もなくなっちゃいましたね?(笑)

でも『ギラライト』の結晶、、、そんな風に見えませんか?

それは、かつて確かに存在した『惑星の記憶』の結晶なのです。

  

  
# by yoshikazusuzuky | 2011-02-16 23:11 | 理科室の記憶 | Comments(3)
『蛍石入り水晶』です。
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マダガスカル共和国産出の『蛍石を内包した水晶』です。

マダガスカルは、アフリカ大陸南東部ーインド洋西部に位置する島ですね。
島の土台となっているのは、5億4,200万年前の先カンブリア地質時代に形成された花崗岩層で、ルビー、サファイアなどの宝石質希少鉱物や、アンモナイト(表面に虹をコーティングしたように素晴らしく綺麗な遊色を示すアンモナイトを鉱物屋さんでよく見かけます)などの化石を多く産出することでも知られています。 、、、とは言っても一般的にはその独特な自然形態と動植物相の方が有名ですよね。なんと棲息する動植物のほとんどが、マダガスカルにしかいない固有種だそうです。 「ワオキツネザル」とか「アイアイ」とか、、図鑑でおなじみの動物たちもマダガスカルの子ですよね。 (日曜日の朝に、トーストといっしょに食べた「ホオズキジャム」の原産国も確かマダガスカルだったよなあ、、、関係ないけど)(笑)

石の話。

このマダガスカル産の水晶の中にa0199297_21301765.jpg内包されているのは『蛍石 〜フローライト〜(fluorite)』です。
ルーペで観察すると薄蒼く色づいた、正8面体の蛍石の結晶が見えます。
劈開(へきかい)面に沿うように流し入れた蒼いインクが、淡く淡く結晶を包み込むように滲み広がっているような、、蒼い色づき方です。 、、、『劈開(へきかい)面』と言うのは結晶の原子結合構造が弱い部分の事で、この面に沿って結晶は割れやすくなっています。

『蛍石』についての話しは数に限りがなくて切りがなさそうなのでここでは少しだけね。

『蛍石 〜fluorite~(フローライト)』は色も、種類も、とても豊富ですが、共通して言えることは(個人的な見解です)硝子細工のように繊細な質感を持った鉱物だということでしょうか。透明感のある結晶は言うまでもなく、一見不透明に見えるモノでも光に翳すと息をのむような美しい光の透過性を示してくれます。 前に紹介したイギリスはロジャーリー産の『グリーンフローライト(緑蛍石)』のように長波紫外線で蛍光反応を示す種類の蛍石もたくさんあるしね。 蛍石は本当に発光するって知ってましたか? 蛍石は加熱するとぼんやりと蒼白く発光するのです。(数分間、たった一度だけの出来事ですが)そのコトが蛍石の名前の由来にもなっているのでしょうね。

蛍石は、その「幅広い波長の光を透過する」と言う特質から、望遠鏡やカメラなど光学系のレンズとしても使用されています。 でも『蛍石レンズ』が組み込まれたレンズは、とても高価なレンズです。(レンズとして加工するのがとても難しいからですね) カラーテレビのブラウン管の技術にも蛍石の発色と蛍光のメカニズムが応用されているそうです。 古来ヨーロッパや中国では医薬品としても用いられていたそうですからね。

その姿カタチばかりではなく、素敵な素敵な『蛍石』なのです。


『蛍石』に限った話ではないけれど、『鉱物』ってヒトが学ぶべきヒミツが、たくさんたくさん詰まっているのですよね。

鉱物を掌に、僕は想うのです。
鉱物に詰め込まれたモノ、、それは『生み出す者(ガイア理論としての地球)』の細胞に記憶された(あるいは記録された)『命の設計図』の様なモノなのかもしれないな、、、と そんな風に想うのです。
# by yoshikazusuzuky | 2011-02-15 23:11 | 理科室の記憶 | Comments(0)
『平型水晶』です。
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アメリカ、アーカンソー州産出の『平型水晶』のクラスターです。
ひとつひとつの結晶が平べったい板状なのでこう呼んでいる(こう呼ばれている?)のですが、別に正式な名前って付いているのかな?
『平行連晶』水晶と記載されているのも見かけたことがありますが、、、。
どなたかご存知の方いらしたら教えて下さい。

結晶の形状は『ファーデン水晶(Faden Quartz)』と同じタイプなのですが、ファーデン水晶のような糸状の内包物は見て取れません。

ここでファーデン水晶についてちょっとだけ説明。

『ファーデン水晶』の「ファーデン」とはドイツ語で「糸」を意味する単語なのだそうです。 ですから、結晶の内部に「ふわり」として見える白い糸状の「何か」が内包されている平型水晶のことを『ファーデン水晶』と呼びます。 ファーデン水晶にまだ出逢ったことがないので写真など載せられないのが残念なのですが、、、その白い糸状の物質(物質と言ってよいのかな?)が何か?と言う問題。 ファーデン水晶の場合、『ルチルクウォーツ(針水晶)』のように「金紅石(きんこうせき)」などの他の鉱物を包み込んでいるわけではなく、気泡のようですね。(あるいは細かな結晶形成に伴って発生する結晶同士の連結痕のようなモノ?)
その誕生エピソードは多説あるようなので(上手くまとめて書いてみようと思ったのですが僕の知識では無理でした)興味のある方は調べてみて下さい。
ある鉱物のお店の説明文には「天使の羽が、、、」と表現していました。 素敵な物語が生まれてきそうな表現ですよね。
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いつも同じ言葉で文章を締めくくるのもどうかと思うのですが、、、(笑) でもやっぱり不思議ですよね。

何故こんな連晶が形成されるのでしょうね?

地面の奥深く、、 鉱物たちが発する火光の薄明かり以外には存在しない晶洞の中で、、、 いったい何が行われているのでしょう?
きっと、地底世界の住人である生真面目な地霊小人の水晶タイル職人のじいさん(723歳、、、来月の『猫目石の月』で724歳になります)が心を込めて手づくりしているのですよ。
『いちまいいちまい心を込めて丁寧に仕上げてます! アナタのお部屋の床にも素敵な水晶タイルを是非!!』とかって、地底新聞に折り込み広告を入れたりしてるんです。
でもね、世代交代の波は地霊小人の世界にも及んでいて若い(といっても200歳は軽く越えていますが)地霊小人たちは地上世界からもたらされた「プラステク」だか「プルステック」だかと呼ばれる色とりどりの透明板にご執心で、古くさい水晶タイルになど見向きもしてくれないのです。
「嘆かわしいことじゃ、、、」 水晶タイル職人のじいさんは『夜光耳茸の薬茶』(古来万病に効くと言い伝えられる地霊小人長寿の秘薬)を飲みながら、ふかくふかくため息をつくのでした。
じいさんの深緑色のため息は空気と反応し合って「しゃらしゃらしゃら」とペリドットの粒を辺り一面にまき散らしました、、、

、、、みたいな?(笑)

「どなたか部屋のタイルの張り替えをお考えではございませんか?」

「水晶タイルのご用命は、ぜひ当店に!!!」


あれ? 何の話をしてたんだっけ? 

Que?
# by yoshikazusuzuky | 2011-02-14 23:11 | 理科室の記憶 | Comments(6)
名前のない、、、ちょっと不思議な水晶です。
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水晶のタイプだけで言えば『両錐水晶(りょうすいすいしょう)〜ダブルポイントクウォーツ〜』になるのですが、、、この水晶、どうにも気の置けない個体なのです。

『両錐水晶』とは写真のように結晶の両端が尖っているモノを言います。
一般的に説明されているのは、結晶の成長過程で起こった何だかの要因で一度結晶が母岩(結晶がくっついている岩)から離れ、その離れた断面から新たな結晶が成長して両錐水晶が誕生すると言うものですね。
(文章って凄いね!気が遠くなるよな永い永い時間の行為を二行で説明してしまう)

この、名前を持たない水晶は、、、実は来歴(この子のプロフィールですね)もはっきりしません。たぶんブラジル産出の水晶だと思うのですが、、、表面に酸化鉄鉱物の『ヘマタイト(赤鉄鉱)』を共生させています。 鉄黒く鈍い輝きを発している部分が『ヘマタイト』です。

そして、両錐の部分はそれぞれに異なる色をしています。
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片一方は緑色。

もう片一方は赤色(朱色にちかい赤)をしています。
              
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緑色の方は緑泥を。
赤色の方は鉄分を包有しているのでしょうね。(『ヘマタイト』の鉄分からの働きかけですね。『ヘマタイト』は黒色に見えるけれど実は赤。何か固いものにその結晶を擦り付けると赤い色を残すのです。『赤鉄鉱』と言うくらいですからね。やはり赤いのですね。)

赤色の方は成長痕が見て取れます。よく言われる『ファントム』ですね。樹の年輪のように水晶の成長段階が層状に重なって見えます。 たぶん、こちら側が初めに成長していた方だと思います。 緑色の方が後からですね。 緑色の方、結晶が斜めに白く濁っている部分が母岩から折れて離れた部分なのでしょう。

ヘマタイトの部分にも子どもの水晶が、やはり両錐で成長しています。
これは『平型水晶』の様な平べったいカタチの結晶として成長していますね。

(、、、僕は何故こんなにも文章をまとめるのが下手なのでしょう。まだ本題に入れないでいるのですよ、、、とほほ。)

(無理矢理本題に入ります!)

この水晶を見つけた当時、僕はある人の為に物語を書いていました。
その物語が最終章に入った頃だったかな? ある鉱物屋さんで、この水晶に出逢ったのでした。

その時自分ではどう仕様もない衝動に駆られて物語の中の主人公の為に、この水晶を連れて帰って来たのです。

「物語の登場人物の為に?」 、、、なんて怪訝に思われるかもしれないけれど、、、何かと何かが何の前触れもなく繋がることってありませんか?

「ありますよね?」(僕的に、それはちょくちょく起こります)

この時がそうだったのです。

物語の世界にすら存在するかどうかわからないモノ(見付けられるかどうかもわからなかったモノ)を現実世界で発見してしまったのです。 出逢ってしまったのです。

物語の中の主人公には、あの時、この水晶が必要でした。

そして、この水晶の出現のおかげで、物語は結ばれて行ったのでした。


ああ、、、。
やっぱり訳の分からない書き終い(かきしまい)になってしまったな。

でも、不思議な雰囲気を持った水晶だと思いませんか?
(たぶん、きっと、まちがいなく、この子は不思議な水晶なのですよ!)

(微笑)

(「にっ」という意味合いでの『微笑』です。)

(にっ)
# by yoshikazusuzuky | 2011-02-13 23:11 | 理科室の記憶 | Comments(2)
『メロディストーン』です。
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『メロディストーン』とは、アメリカ.コロラド州在住の A・メロディさんが命名した、アメシスト~紫水晶~(酸化鉱物)をベースに、カコクセナイト~カコクセン石~(リン酸塩鉱物)、ゲーサイト~針鉄鉱~(水酸化鉱物)、レピドクロサイ~鱗鉄鉱~(水酸化鉱物)、クリスタル~水晶~(酸化鉱物)、ルチルクォーツ~金紅石入り水晶~(酸化鉱物)、スモーキークォーツ~煙水晶。~(酸化鉱物)、の7種類の鉱物が混在した水晶のコトです。

命名されたのは1995年のことです。(いまから16年前ですね。)

僕は、A・メロディさんのことをずっと鉱物研究者だと思っていたのですが、世界的に有名なクリスタルヒーラーの第一人者なのですね。 パワーストーンには疎いもので、、、失礼しました。
『メタモルフォーシス』や『ライトニング・クォーツ』の名前を広めたのもメロディさんなのですね。
ちなみに『メタモルフォーシス』という石は、メタモルフォーシス水晶に放射線(ガンマ線)を照射した後300℃に加熱すると無色透明(わずかに乳白色)だった水晶が「グリーン・ゴールド色」に変化発色するのです。そのことから「変革をもたらす石」とも呼ばれているとか。  『ライトニング・クォーツ』は和名が『雷水晶』と言います。なんと地中の水晶を雷が通り抜け(落雷)、水晶の内部に雷が通電痕を残したモノなのです。その、白く砕けたような通電痕部分は水晶が瞬間的に600度以上の高温にさらされた為、その部分が『クリストバライト』というケイ酸鉱物に変化してしまっているのだそうです。落雷通電時に地中の条件が整わないと水晶は粉々に砕け散ってしまうので「大地によって守られた水晶」だ、、と言えるのかもしれませんね。(、、、って!「パワーストーンには疎いもので、、」とか言った割りにはいろいろ知ってます!)(笑)
、、、で、(まだ続くの?)この二つの水晶とも『トマス . ゴンサガ水晶』と同様に、ブラジルはミナスジェライス州の鉱山で採掘されているのです。(ここでしか採れないんだったかな?)

『メロディストーン』にしても、現在では『スーパーセブン』と言う呼び名の方が一般的なのでしょうか? 僕はずっと『メロディストーン』と呼んで来たのでこれからも『メロディストーン』って呼びますけどね!(なんで力説してんだろう? 笑)
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なかなか7種類全ての鉱物を肉眼で確認することは難しいようなのですが、僕のこの子もそうですね。 3、4種類しか目視(18Xのルーペレベルです)出来ません。(7種類全てが含まれていなくても『メロディストーン』と呼ぶそうですが、、、)

でも、この紫水晶は素敵な名前をもらいましたよね。

『メロディストーン』

なんだかその透明な身の内から、様々な鉱物たちの奏でる素敵な音楽が聴こえてきそうな気がしますもの。(微笑)

『奏でる石』

ポロン。。。ポロン。。。カチカチカチ。。。
# by yoshikazusuzuky | 2011-02-12 23:11 | 理科室の記憶 | Comments(3)
『アイスクリスタル(Ice Crystal)』です。
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いまから5年ほど前の2006年にインド・ヒマチャル・プラディッシュの標高6000m級の峰々が連なるクル渓谷氷河地帯で発見された新しいタイプのヒマラヤ水晶です。

水晶の種類(種類になるのかな?)としては『蝕像水晶』になります。

『蝕像水晶』とは水晶の結晶面がナニモノかによって浸食された痕跡を残す水晶のコトですね。

アイスクリスタルの場合のナニモノか、、は『氷河』でした。
a0199297_20525822.jpgアイスクリスタルは地球温暖化の影響を受け、溶けて後退を始めた氷河の下から発見されたのですね。
ずっとずっと永い年月を氷河の下で、悠久ともとも呼べる氷河の時間と胎動と共に過ごしてきた、、、そんな表現を使いたくなる表情を持った水晶です。

僕はアイスクリスタルが市場に出回り始めたばかりの頃に、この二つに出逢ったのですが、何と言うか、初めてその姿を写真で見た時は衝撃でしたね。a0199297_21203530.jpg

水晶の表面に刻み込まれた、その様々な紋様。(三角形の紋様などはトライゴーニックと呼ばれているそうです)
その様々な紋様はまるでレコード(古い表現でしょうか?)に切られた「途切れることのない溝」のようにも見えて、、、。 
もし、アイスクリスタル専用録音再生装置と言うようなモノが在れば、溝に記録された数十万年分の氷河が見てきた地球の記憶を再生出来るのでは、、、? と思いたくなるような佇まいでした。

そして、実物を手にした時の僕の興奮と言ったらそれはもう、、、!!! 

興奮が一段落した後の放心状態は、ちょっと癖になります。(笑)

その晩はアイスクリスタルをしっかり握り締めたままで眠りましたよ、、、もちろん。(遥か遥かにむかしの地球を夢に見られるかと思ったのです) (笑)

僕たちが思い描く水晶のイメージとはかなり異とするモノ、、異形の水晶ですよね。

ヒマラヤ水晶は奥が深いです。
『哲学的』と言ってもよいかと思うほどの奥深さです。(理屈ではなくて感じ方のお話しです)

「こんどヒマラヤの緑水晶も紹介しますね。」 緑泥を内包する緑色の水晶で、僕が初めて出逢ったヒマラヤ水晶は白水晶ではなくてこの緑水晶(Green Quartz)でした。

最近では『レインボークォーツ ( Rrainbow quartz )』と言う虹色水晶が 、やはり プラディッシュ で発見されましたよね。 水晶の中のクラックが虹を見せるのではなく、水晶の表面が虹色のコーティングで覆われている、、、ちょっとファンタジックな水晶です。(早く出逢いたいのだけれど「これだ!」と言うモノにはまだ出逢っていないなあ、、、)

最後に、前に『イチバン綺麗ダトオモッタ、、』で書いた、ブラジルはトマス . ゴンサガ産の水晶と並べてみました。

何なんだろう、、この雰囲気の違いは?

氷河の胎内に育まれ生まれ出たアイスクリスタルが、まるで『火の結晶』のように見えませんか?

『火(Fuego)』と『水(Agua)』の共演です。

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# by yoshikazusuzuky | 2011-02-11 23:11 | 理科室の記憶 | Comments(2)
空気の深と澄んだ夜空を巡る星々が刻々とその位置を変えてゆくのを見上げていると、まるで自分が宇宙の中心に立っているかのような錯覚を憶える。
古代ギリシャの哲学者たちやプトレマイオスが天動説を唱えたくなったのも無理のないことだと思いたくなるよね。
『天球』に包まれた惑星たちと地球。
そして地球がその世界の中心だ。
でもすごい考え方、、と言うよりも、すごい想像力だ。
夜空に見える無数の星々は天球に空いた細かな穴から天球の外の世界の明かりが漏れて見えている、、って。 そっちの方が天動説より何よりも議論したくなるよ。
「天球の向こう側の世界って、どんな世界ですか?」

『Deus ex machina(デウス・エクス・マキナ)』

まさに『機械仕掛けの神』が現れ、即座に解決してくれそうな議論だけれど、本気で信じると言う事はそう言う事なんだろうなと思う。 理解不可能な事象は不安の種だ。 しかし信じていられる何かの存在はその不安の種の発芽を遅らせてくれる。(遅らせてくれるだけで解決してくれるわけではないのだけれどね)

ちがうちがう。 こんな話をしようと思ったんじゃなかった。(笑)

『天球儀』の話だ。

a0199297_21532948.jpg理科室に置いてある教材の中で、いちばん「かっこいい!」と憧れに思っていたのが『天球儀』だった。
(もちろんアルコールランプやビーカー、フラスコなどの実験道具や人体骨格模型や鉱物標本や魚類、爬虫類のホルマリンづけの標本など、どれも僅差で同率一位みたいなものだけど、、)

小さな地球儀を中心に月や太陽の模型が配置され、天動説よろしくそれらを包み込む透明プラスチックの天球には星座、赤道・黄道が描かれていて天空の南極北極を軸に回転して星々の位置や運行を教えてくれる『天球儀』は、宇宙そのものの縮小模型のように見えた。

自分が地球と名前が付いた惑星に住み、こんなにもたくさんの星々が存在している宇宙の中に含まれているんだ、、、と言う事を実感させてくれるモノだったのですね。

とは言っても、その当時は、『天球儀』の使い方も読み取り方もさっぱり理解出来ていなかったのですが、、、。(いまでも「詳しく説明してみろ」と言われたら説明出来ませんけど 笑)


小さな点で描かれ無数の線で結ばれた星座と星々の全てには名前が付いている。 それって凄い事ですよね? 誰かが発見し、誰かが名前を付けたのです。

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この透明な天球の中心で自転する小さな青い惑星、、、。
『地球』と名前のついた、この小さな青い惑星に、僕は含まれているのです。

『スズキヨシカズ』と名前のついた、、僕も含まれているのです。

僕と言う存在とその事象も『Deus ex machina(デウス・エクス・マキナ)』で解決してしまえたら、、、

(???)

『天球儀』を見ているとそんな取り留めのないことをぼんやりと考えてしまったりするのです。


『天球儀』

、、、部屋の中の小さな宇宙ですね。

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# by yoshikazusuzuky | 2011-02-10 23:11 | 理科室の記憶 | Comments(0)
1869年にイギリスで発刊された活版印刷の星の本です。

題名は『 STELLAR WORLDS 』、、、「星の世界」。

エンボス加工で模様捺しされた、
とても綺麗な蒼い色の表紙の本です。a0199297_1754080.jpg

見開きには前蔵書者のサインが入っているのですが『1872』と年号が記されています。
(いまから139年前ですね。)

本文中には蒼い色鉛筆でたくさんのアンダーラインが引かれています。

「ぱりぱりぱり」 とペイジをめくると、いま現在刊行されている本とはあきらかに違うインクの匂いがします。
「ふわり」 と時間の塵が浮かび上がってきそうな、、そんな感じの匂いかな?

活版印刷の文字って独特な雰囲気がありますよね。(丸まっこくて角張っていて力強いのに優しい、、、)
印刷されたページをなぞると「こつりこつり」と指先に、文字たちが自分の存在を主張してきます。
それはアルファベットの一文字であったり一つの単語であったり文章であったり、、。 まるでたくさんのモノタチの呟きを聞いているような感じです。

「ボクハココダヨ」
「ココニイルンダヨ」

図版は銅版画です。a0199297_18443846.jpg

ちょっと不思議な描写で(かなり不可思議な描写で)他の銀河系や星雲や星団、、。
太陽系の惑星や地球を巡る月の満ち欠け。 そして、流れ星(彗星)の通り道などが描かれています。


一世紀と半分もの遠い昔、
この『蒼い本』を片手に星の勉強をしていた人がいたのです。

その人は、どんな人物だったのだろう?

本の内容や(僕は英語がからっきし駄目なので、ページから受ける雰囲気だけによる判断ですが、、)本に書き込まれた持ち主の字体から察するに大学生くらいの年齢の人物だったのではないだろうか。

本に書かれた年号の1872年は、スコットランドの小説家、 コナン . ドイル の小説の主人公『シャーロック . ホームズ 』が大学に進学した年でもあるのですね。

すごいね! シャーロック . ホームズと同級生かもしれないだなんて! 空想世界と現実世界がごっちゃまぜ? 勝手な妄想です。(笑)


このとても綺麗な蒼い表紙の星の本の持ち主は、1872年のイギリスの夜に、琥珀色の室内で、琥珀色のガス灯の明かりに、その当時は純白であったであろう本のペイジを翳しながら、、、

遠い遠い夜空の果てを、想い描いていたんだろうなあ。

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「ほんとうだね、、べつのせかいへのとびらのようにみえてきたよ」

『幻燈画室』の扉にしたいくらいだ。(微笑)
# by yoshikazusuzuky | 2011-02-09 23:11 | 記憶の欠片 | Comments(0)
想いを綴る人がいる。

文章の中、言葉に想いを綴る人。 音楽の中、音に想いを綴る人。 絵の中、色に想いを綴る人。

そしてある人は、磨き込まれた石珠の一粒一粒にまじないをかけ、想いを込めて綴り合わせる。a0199297_17192252.jpg

レッドルチルクォーツ、ブラックルチルクォーツ、ヒマラヤクォーツ、タイガーアイ、シトリン、、、。

僕は考えていた、、 「何故この石たちが選ばれ僕のもとへとやって来たのか」 、、と。

僕には思いつかない綴り方だよ。
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でもね、不思議なことに違和感は全くないだよ。 そればかりではない。 ずっとそうであったかのように僕の左手首に馴染んでいるんだ。a0199297_21535284.jpg

「何故だろう?」

この石珠の綴り合わせを見ていると、僕は何かを思い出しそうになる。
(それは僕が思い出さなければならないコトなのだろうか?)
(それとも思い出さなくてもよいコトだろうか?)
(それとも思い出すべき時がきたのだろうか?)

『記憶』
それは僕のヒトとしての記憶だろうか?それとも、、、別のナニモノかだった時の記憶だろうか?
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『宇宙』

僕たちが棲まう宇宙だ。
(そして、僕の内なる宇宙だ。)

僕はこの石珠の綴り合わせから、僕たちが棲まう太陽系の惑星を連想するのかもしれないな。
「大袈裟な話だと笑うかい?」
でもそんなに大袈裟な話ではないはずだよね。それは僕たちのすぐ隣に存在している世界の話だもの。

僕たちは(僕たちの記憶は)宇宙から始まった。
そして、僕たちの終わりも(僕たちの記憶の終わるところも)やはりまた、この宇宙だと思うから。

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でも、、、?

そう、「でも」が付く。

でも、宇宙が問題なんじゃないんだ。

そう、、、
問題は、今の僕がどう在るべきか? それだけだよね。


「ありがとう。」

今の僕に出来ることを一生懸命考え、そして誠実に行動します。

それがどんな場所へと続く道であっても、、、。(どんな答えが導き出されるとしても、、、。)

「ありがとう。」

晴香さんと沙羅さんに、僕の精一杯の感謝の気持ちを込めて、この言葉を、、、

「ありがとう。」
# by yoshikazusuzuky | 2011-02-08 23:11 | 記憶の欠片 | Comments(0)
『花の絵』が描けない。

いちど、何処だったかの個展会場で、植物をこよなく愛しているのであろう方に「これは花ではない!」(なぜ僕は怒られたんだろう?)との指摘を受けた事がありました。

「そうなのです。」
僕は『花の絵』が描けないのです。

でもスズキヨシカズの日本で制作した作品を見てくれている方は「花、描いてるじゃない?」と言いますよね。

「そうなのです。」
僕は日本に帰国してからの展覧会に、ものすごくたくさんの『花の絵』を描いて出品してきているのです。

矛盾してますか?
「そうですよね。」
矛盾していますよね。

でも、矛盾しているんだけど、僕の中では整理が付いている問題なのです。(解決はしていない問題ですが、、整理はついています。)

僕が描いているのは『花』ではないのです。

僕は『花の絵』を描くことは出来ないのです。

花は絵に描けないですよ。
実物の存在自体があんなに美しいのですよ? 「描けませんね。」 僕には描けません。
同じ意味で僕は『風景画』も描いた事がないし、描けません。
存在自体が美しいモノを絵に写すというのは、とてもとても難しい事です。 突き詰めれば『花』や『風景』だけにしか当てはまらない事ではないのですが『花』と『風景』は特別に難しいと、僕は感じています。

僕は頭に残っている『花』のイメージをキャンバスなり画用紙なりの支持体の中(内)に発見して掘り起こすという作業でしか、その花を表現できないのです。

実際に生花を目の前に置いて写生する事もしません。

無作為に色づけされた支持体の中に、僕の頭の中に在る僕が知っている花のイメージが現れたら、支持体の中からそのイメージがカタチとなり可視領域に浮上してくるまで掘り起こし続けてゆくのです。

あくまで、僕の記憶の中に存在している花のフォルムだけを探し続けます。

だから、僕の描く『花』は『花のようなモノ』と言う事になりますね。

花びらの枚数だとか葉の形だとか成長痕(鉱物じゃないってば!)のパターンだとかが、、「ちがうじゃないか?!」と言われても、、それは仕方がない事なのです。
「僕にはそう見える」と言うだけの話なのです。

では、僕が考える『たんぽぽ』と『リンドウ』の花の絵をどうぞご覧下さい。

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            スズキヨシカズ絵画作品 『立ち姿 〜蒲公英〜 』

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            スズキヨシカズ絵画作品 『立ち姿 〜竜胆〜 』
# by yoshikazusuzuky | 2011-02-07 23:11 | スズキヨシカズ的アート | Comments(4)
福島県の郡山市立美術館で開催されている『植田正治写真展 〜写真とボク〜 』を観た。

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植田正治(うえだしょうじ)は、2000年に87歳で亡くなった鳥取県出身の写真家。
鳥取砂丘を舞台に見立てた『演出人物写真』と言う印象的な一連の作品を残している。
1994年に福山雅治のCD(「HELLO」)ジャケット写真を手掛け、福山雅治に写真の指導をした、、と言う話を、TVの特集番組か何かで福山雅治自身が語っていたのを聞いた気がする。 (確か植田正治を「我が写真の師」と話していた)

時間をかけ会場を巡り終えたとき、「ふわり」とした不思議な感覚に包まれている気がした。
自分の頭上30cmに気持ちが浮かんでしまっているような、、そんな感じ。
展覧会を観に行っても、全ての作品の前に立ち止まることなどほとんどないのだけれど、今回は一枚一枚すべての写真の前に立ち止まってしまったな。
「写真作品を観た」と言うよりは、「絵画作品を鑑賞した」と言う感覚に近かった。
『演出人物写真』と評されていても、その『演出』に嫌みも嫌らしさもない。
「とても自然な語り口、、」 そんな感じかな。

すべてが不思議な写真だった。

でも、いま僕の中にいちばん印象しているのは「植田正治の写真」でなくて「植田正治の言葉」だったりするんだよね。

作品と共に壁に並ぶボードの中の植田正治自身の言葉。

「写真することは、、、」「写真することは、、、」「写真することは、、、」

彼は、写真を撮影する行為を(作品を作る行為を)「写真を撮る」と言わずに「写真する」と表現していた。

「写真する、、、」

「胸に響く言葉だな」と、僕は思いました。


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『植田正治写真展 〜写真とボク〜 』 2011年3月21日(祝.月)まで開催中です。

不思議の世界を覗いてみてはいかがでしょうか。
# by yoshikazusuzuky | 2011-02-06 23:11 | Comments(2)
『虹をかきまぜる為のスプーン』です.
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虹をかきまぜる為に創られた、真鍮に銀鍍金(ぎんメッキ)が施されたスプーンです。

月が昇る東の海に「ぽかり」と浮かぶ二十八夜の月のカタチをした小さな島に棲まう238歳の地霊小人の鍛冶職人が『ふた匙』だけ拵えたと言い伝えられているスプーンです。

その『ひと匙』がこの『虹をかきまぜる為のスプーン』なのです。

初めは銀色でぴかぴかに光っていたスプーンだったのですが、もうずいぶんと虹をかきまぜ続けたので、銀鍍金も落ちてしまって金色のスプーンになってしまいました。(出来上がったばかりのスプーンの、満月の光を島の湧き水に溶かして蒸着させた銀鍍金色は、それはそれは透明で冷たく温かな月の光の銀色に発光していたのでした)


虹をかきまぜるのは『ひと匙』の持ち主、『マルソ』と『シルエラ』の仕事です。


『マルソ』は人間の女の子です。
『シルエラ』は黒猫です。


雨が駆け足で通り過ぎた午後にシルエラは空から虹の匂いを嗅ぎ分け虹の立つ場所を探します。 シルエラが見つけた虹をマルソは銅色(アカガネイロ)の鍋にすくい採ります。 虹をすくい採ったらすぐにふたをします。 虹はのんびりしている様に見えても、とてもすばしっこくて、すぐに空へと逃げ出してしまうからです。 ふたはとても透明度の高い純粋な石英硝子で出来ているので鍋の中にフワフワと漂う虹を見ることが出来ます。 それはマルソが外国(とつくに)の古い本の挿絵でしか見たことのない、南の極地に現れる『オーロラ』と呼ばれる光のカーテンのように銅色の鍋の中で虹のレースが揺らめいているのでした。

すくい採ったばかりの虹は、すぐにはかきまぜることは出来ません。 虹をつかまえた日から数えてふた巡り目の満月の夜までは戸棚の奥の奥のずっと奥にしまっておきます。
そして、ふた巡り目の満月の月明かりが窓から射し込む時刻に『虹をかきまぜる為のスプーン』でかきまぜ始めるのです。

それはとてもとても大変な仕事です。

マルソは満月の光を鍋の中へと導き入れて(月明かりを道案内するのはシルエラの仕事です)、虹と月明かりをまんべんなく混ざり合うようにかきまぜ続けるのです。その作業は東の海から昇った月が西の海に沈むまで、、スプーンを持った手を休めることなくかきまぜ続けます。 シルエラは、、鍋をくるりと抱きかかえるように丸まって眠ってしまいます。でも、ただ眠っているわけではありませんよ。これもシルエラの大切な役目なのです。シルエラは鍋を温めているのです。月明かりは温かですが冷たくもあります。虹と混ぜ合わされた月明かりは不思議に反応し合って温度を下げてゆきます。冷たいままに混ざり合い蒸留してしまうと虹は結晶してくれないのです。

シルエラは自分の体温で銅色の鍋を温め続けているのです。
これもとてもとても大切な仕事です。


月がすっかり西の海に沈み、部屋を満たしていた月光が影の隙間に吸い込まれてしまうと、やっとマルソはその手を止めます。
それと同時にシルエラも目を覚まします。

a0199297_15365922.jpg『虹』は銅色(アカガネイロ)の鍋の底に薄く薄く七色の層を作って結晶してはり付いています。

マルソは鍋を持ち上げると『虹をかきまぜる為のスプーン』で銅色(アカガネイロ)の鍋の底を「コツン」と一度、たたきます。
すると、銅色(アカガネイロ)の鍋の底にはり付いた『虹の結晶』は「シャラン!」と小さく跳ね上がり、冷たい冬の朝に凍った水たまりの薄氷に足をのせた時のような鈴の音を鳴らして、細かく砕けるのでした。

それは不思議な結晶です。

マルソはこの『虹の結晶』を何に使うのでしょう? 

氷砂糖のようにお茶に入れて飲む? 甘い甘い虹色のクッキーを焼く? それとも硝子瓶に詰めて標本にして棚に飾るのでしょうか?

残念ながら『虹の結晶』の使い道についてはマルソもシルエラも何も教えてはくれませんでした。
でも、「ヒミツだよ、、」と、小さな小さな小さな声でひとつだけ教えてくれました。

マルソとシルエラはもう『ひと匙』のスプーンを持っている人の為に『虹の結晶』を作っているのだそうです。

もう『ひと匙』のスプーンは何処にあるのでしょう?

もう『ひと匙』のスプーンは何と呼ばれて何の為に使われているのでしょうか?

そして、、もう『ひと匙』のスプーンは誰が持っているのでしょうか?


、、、なんてね。

この古い銀鍍金が剥げたスプーンを手にしたら、そんな物語が僕の心の中に広がったのでした。

、、、おしまい。


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# by yoshikazusuzuky | 2011-02-05 23:11 | 記憶の欠片 | Comments(6)
「ぶるるる!」 っと身震いしてしまうようなタカラモノを見つけてしまった!

『APOLLO(アポロ)手帳』
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うう、、たまらない!!

僕が小学生だった頃の文房具屋って『宝物』を売っているお店だった。 小学校の裏門出口付近にある『駄菓子屋』と同じくらいに素敵なお店だった。 駄菓子屋はなんとなく手に入りやすい宝物を置いているお店という位置づけで考えると、文房具屋はちょっと高級で憧れてしまうような宝物を置いているお店だった。(*個人の意見です)(笑)

あの頃って『ナンとか手帳』って名前の多種多様な秘密手帳がいっぱいあった。

『スパイ手帳』なんて言うのもあったよね。 メモ用紙が水に溶けてしまったりするやつ。 たまらない感覚だったよなあ、、ああいうのって。

この『APOLLO(アポロ)手帳』もそうだけれど、、、何なんだろうか? この子どもの心をワシづかみにするかのように素敵すぎるイラストとデザインは!? 「デザイナー出てこい!」と愛をこめて叫びたくなるほどです。 弟子入りを志願したくなるくらいに、素敵な素敵な美的感覚です。 素晴らしい!(拍手!)
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だってその手帳を持っているだけで、スパイになれたり、宇宙飛行士になれたり、世界を守るヒーローになれたりするんだよ。 たった一冊の手帳で?。 うん! それってすごく素敵なコトだよね!?

「うん!」 「素敵なことだね。」


「必要だと思うな、秘密手帳。」

うん! 僕も必要だと思う。 大人になっても『秘密手帳』が必要だと思うな。


、、というわけでヒーローに憧れ、地球を守ろうとしていた頃の僕です!(笑)
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余談ですが、僕の母親は女の子が欲しかったのに男の子が生まれてしまったので、子どもの頃の僕は赤い色の服ばかり着せられていたのでした。(ひどい写真になると赤いリボンまで付けています、、うう)  でもそのせいなのかな? 僕の絵の背景に赤い色が多いのは?  怖いですね、、。 子どもの頃、無意識の領域に植え付けられる色彩感覚って、、。
# by yoshikazusuzuky | 2011-02-04 23:11 | 記憶の欠片 | Comments(0)
「これなに?」 と子供たちは訊ねる。

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「三角プリズムだよ」 そう答えても子どもたちは「ぽかり」とした顔をしていたりする。

ん?理科室にいくらでも置いてあったよね?三角プリズムって。今の小学校の理科準備室の棚に三角プリズムは置いてないのかな?

「三角プリズムってなに?」 そんな質問から『光』と『虹』についての長い長い『お話し』が始まってしまって一時間くらい平気でつぶしてしまったりする。(だめですかあ? 笑)a0199297_935152.jpg
話の途中にタイミング良く窓から日が射し込んで、壁に三角プリズムが『虹』でも出現させようものならもう大変! もうその日は『三角プリズムの一日』になってしまうのです。

子どもの頃、何かの本の中で(それとも誰かから聞いた話の中だったかな?)『光がなければ色は存在しない』と言う文章(言葉)があって、その時は「そんなのあたりまえじゃん!」と単純に思ったけれど「当たり前」ではないんだよね、、、という事を理科室の三角プリズムが教えてくれたんだったな、と『三角プリズムの虹』を見る度に確認するのです。

そう、「当たり前のコトなんて一つも存在しないんだよね」

光はスペクトル分解されていろいろな場所に虹を出現させる。

雨上がりの空とか、満月の夜空にだとか、鉱物の中にだとか、ヒトの瞳の中にだとか、、、水たまりに広がったガソリンの皮膜にさえ、『光(ヒカリ)』は綺麗な綺麗な虹を作って見せてくれる。(ガソリンの虹にプリズム効果は関係ないのか?)

『光(ヒカリ)』。

僕は、『光(ヒカリ)』と、それを構成する『モノタチ』に、強く想いを馳せてみる。

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# by yoshikazusuzuky | 2011-02-03 23:11 | 理科室の記憶 | Comments(0)